STEAM教育の歴史


STEM教育の発展にその起源を持ちます。STEM教育は、科学、技術、工学、数学の4つの分野に重点を置いた教育アプローチです。その始まりは、1957年のソ連によるスプートニクの打ち上げに遡ります。この出来事は、アメリカに科学技術教育の重要性を再認識させ、冷戦時代の競争における優位性を確保するための教育改革を促進しました。

1983年には「危機に立つ国家」(A Nation at Risk)報告書が発表され、アメリカの教育システム全体の改善が強く求められました。この報告書は、特にSTEM分野の教育の強化を強調しました。その後、2000年代初頭には、テクノロジーの急速な進歩とグローバル競争の激化に対応するため、STEM教育の重要性がさらに増しました。

バラク・オバマ大統領の政権下では、STEM教育は重要な教育目標の一つとなりました。オバマ政権は2009年に「Educate to Innovate」キャンペーンを開始し、STEM分野の教育を促進するための官民パートナーシップを推進しました。これにより、STEM教育は全国的な関心事となり、多くのプログラムや政策が導入されました。

しかし、技術的スキルだけでなく、創造的思考や芸術的表現がイノベーションに不可欠であるという認識が広がり、STEMにArts(芸術)が追加されることになりました。これにより、STEAM教育が誕生しました。STEAM教育は、学生に科学や技術だけでなく、芸術を通じた創造的なアプローチを提供することで、より包括的な教育を目指しています。

STEAM教育は、多くの学校や教育機関で採用され、カリキュラムに芸術を統合する具体的なプログラムが実施されています。プロジェクトベースの学習や学際的なアプローチを通じて、学生は幅広い視点とスキルを身につけることができます。この教育モデルは、アメリカだけでなく、世界中の教育システムに影響を与え、多くの国で採用されています。

 


Q.なぜSTEMARTが入ったのか?


STEM教育に対する批判や懸念が出てきました。同時から現代の多くの問題は複雑であり、従来の枠にとらわれない考え方が求めらてきたのです。そうすると、単なる技術的スキルだけでなく、異なる視点から物事を見る能力を育て、問題解決能力が必要になり、芸術教育である創造的なアプローチが不可欠になったのです。

このような背景から、STEM教育にアート(Arts)を加える動きが生まれました。


Q.STEAM教育はどんな力がつくの?


問題を自分で見つける力:

お子様は日常生活や学びの中から、自ら課題や問題を見つけ出す力を養います。これは、自主性や探究心を高めるために非常に大切です。

物事をいろいろな角度から見る力:

科学、技術、工学、数学に加えて、芸術の視点を取り入れることで、お子様は物事を多角的に捉え、柔軟な思考を身につけます。これにより、複雑な問題に対しても効果的な解決策を見つけやすくなります。

新しいアイデアを作り出す力:

創造性を重視したカリキュラムは、お子様が独自の発想を持ち、新しいアイデアを生み出す力を育てます。これは、将来のイノベーターやリーダーに必要なスキルです。

 

 

 

 

「ワクワク」と「創造性」を育むことができるのがSTEAM教育の魅力

なぜ、「ワクワク」が現在教育業界で重要なのか?

昔の教育は、競争や成績を重視する傾向がありました。子供たちには早くから「勉強しなさい」「成績を上げなさい」というプレッシャーがかかり、競争社会での成功を目指すことが重要視されていました。

しかし、令和時代に入り社会環境が変化する中で、単なる知識の習得だけではなく、創造性や問題解決能力、そして自己表現の重要性が見直されています。このような能力は、ワクワクやドキドキする好奇心から生まれることが多いのです。

ワクワクする好奇心があると、子供たちは自ら学び、新しいアイデアを考え出したり、自分で問題を見つけて解決する力を養うことができます。このような学びのスタイルは、単なる情報の受け入れではなく、主体的に行動する力を育むことにつながります。

つまり、ワクワクする感情や好奇心を大切にする教育や子育てが求められるのは、子供たちが自己実現し、より創造的で成長できるようにするためです。

 

海外では、デザイン振興やクリエイティブ産業が盛んであり、デザイン教育やクリエイティブなアプローチが重視されています。一方で、日本ではSTEM教育が進んでおり、数理教育に注力していますが、「A」(芸術)の分野においては課題があります。

アート思考やクリエイティブな発想は、イノベーションの源泉となります。しかし、日本では縦社会や偏差値重視の教育文化が根強く、親たちのマインドセットも含め、イノベーションや自己発見の重要性が後回しにされがちです。

しかしながら、日本は技術力において世界屈指です。職人技としての精密機械への強みもありますが、それをクリエイティブな発想と結びつける文化が育まれていません。

このような状況が、現在の経済の課題にもつながっています。親たちのマインドセットが変わり、子供たちが自由な発想で新しいアイデアを育む学びの環境が整えば、日本の未来はより輝かしいものとなるでしょう。

 


親の私たちがクリエイティブなマインドセットを育む


STEAM教育は、子供たちだけでなく、親たちの理解と支持が欠かせない教育の一部です。親たちがクリエイティブなマインドセットを育むことが、子供たちの成長と未来の成功に直結すると信じています。

保護者の方が持つ価値観や教育へのアプローチは、子供たちに深い影響を与えます。イノベーションやクリエイティブな発想を重視し、自由な発想で問題に取り組む姿勢を示すと、子供たちもそれに触発され、自ら考え行動する力を育むことができます。

一方で、伝統的な価値観や成績主義に固執し、リスクを避ける傾向があると、子供たちも安全な選択をしようとする傾向が強くなります。このような環境では、創造性や自己表現の発展が制限される可能性があります。

教育の現場だけでなく、家庭でもクリエイティブな学びを促進し、子供たちが自ら考え、新しいアイデアを生み出すことを支援することが重要だと考えています。

自身が学び続け、柔軟な思考を示すことが、子供たちにとっての最良の教育環境を作る第一歩となります。